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シンガポールにおけるジカウイルス感染症の発生について
- 16.09.02
外務省の海外安全情報によると9月2日現在有効な情報として、
シンガポールにおけるジカウイルス感染症の発生(妊娠中又は妊娠予定の方は可能な限り渡航をお控えください。)(その3)
が発出されています。
外務省のシンガポールへの旅行に対する見解は、
「レベル1:十分注意してください。」
「特に妊娠中の方又は妊娠を予定している方は、流行国・地域への渡航・滞
在を可能な限りお控えください。」
です。
弊社でもジカウイルスへの正しい理解をするとともに上記情報にて感染者が報告されている場所を確認しました。
1.シンガポールのジカウイルス感染者報告エリア
「保健省によれば、感染者の発生地域は、これまで確認されていたAljunied Crescent地区/Sims Drive地区に加え、Kallang Way地区、Payar Lebar地区にも広がっているとのことです。」
感染者が確認されている上記4エリアがどこかと言うと、
星印がついている4か所が8月31日現在、ジカウイルスの感染が報告された場所です。
分かり難いのでズームにすると上記画像の星印4か所がジカウイルス感染報告エリア。
ゲイランは夜の遊びや食事に行く方がいらっしゃるかも知れませんが、それ以外の3つの星がついているエリアは観光地ではありません。
多くの観光客が行くオーチャード地区、マリーナベイサンズがあるマリーナ地区、動物園や植物園、セントーサ島は今のところ感染が報告されていません。
今のところ、あまり警戒しすぎる必要はなさそうですが、人を媒介して広まっていくウイルスなので特に、妊娠中、または妊娠を予定されている方はご注意ください。
ジカウイルスの詳細については外務省からの下記の情報もご確認願います。
2.ジカウイルス感染症の発生状況
(1)海外での発生状況
WHO等によれば、2015年5月以降、以下の国・地域でジカウイルス感染
症の感染例が報告されています。最近では、シンガポールにおいて、流行地域
への渡航歴のない人にジカウイルス感染が確認されるなど、アジア地域でも感
染拡大が確認されています。
○中南米地域
アルゼンチン、アンティグア・バーブーダ、バルバドス、ベリーズ、ボリビア、
ブラジル、コロンビア、コスタリカ、キューバ、ドミニカ共和国、ドミニカ、
エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、グレナダ、ガイアナ、ハイチ、ホ
ンジュラス、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パナマ、バハマ、パラグア
イ、セントビンセントグレナディーン諸島、セントルシア、スリナム、トリニ
ダード・トバゴ、ベネズエラ、ペルー、英領(アンギラ、タークス・カイコス
諸島、ケイマン諸島、バージン諸島)、フランス領(グアドループ、サン・マ
ルタン、ギアナ、マルティニーク及びサン・バルテルミー島)、オランダ領
(アルバ、ボネール、キュラソー、シント・マールテン、シント・ユースタテ
ィウス島及びサバ島)、米領(バージン諸島及びプエルトリコ)
○アジア・大洋州地域
インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、米領サモア、マ
ーシャル、サモア、トンガ、パプアニューギニア、フランス領(ニューカレド
ニア)、フィジー、ミクロネシア(コスラエ州)
○アフリカ地域
カーボヴェルデ
○北米地域
米国フロリダ州の一部地域
(2)国内における感染者の発生
日本国内ではこれまでに、海外で感染し、帰国後に発症する輸入症例が10
例(そのうち今回の中南米における流行後は7例)報告されています。
現在日本での流行はありませんが、日本にはジカウイルスの媒介蚊であるヒ
トスジシマカが秋田県及び岩手県以南のほとんどの地域に生息していることか
ら、万が一流行地域でウイルスに感染し発症期にある人が、国内で蚊に刺され、
その蚊が他の人を吸血した場合に、国内でも感染者が発生することがあり得ま
す。国内のヒトスジシマカの活動時期は5月下旬から10月下旬頃までと言わ
れており、流行地域からの帰国者は、症状の有無にかかわらず、帰国後も少な
くとも2週間程度は蚊に刺されないための対策を行ってください(以下4.
(4)参照)。
3.その他の蚊媒介感染症(デング熱、チクングニア熱)への注意
ジカウイルス感染症が流行している地域では、同様に蚊を媒介とした感染症
であるデング熱やチクングニア熱の発生も例年報告されており、注意が必要で
す。ブラジルでは、2016年1月から7月第2週までの間に、デング熱は
139万9,480例(うち重症例は639例)、チクングニア熱は
169,656例の発生報告がなされています。感染経路や症状についてはジ
カウイルス感染症と類似しているため、以下4.を参照に蚊に刺されないよう
予防に努めてください。特に、デング熱は、重症化すると皮下出血や肝腫大等
を引き起こし、デング出血熱又はデングショック症候群と呼ばれる重篤な病態
を示し、死に至る場合もあります。流行地域へ渡航・滞在される方は予防対策
の励行を心がけてください。
4.ジカウイルス感染症について
(1)感染経路
ジカウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感
染します。感染した人を蚊が刺すと、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊に
他の人が刺されると感染する可能性があります。また、母胎から胎児への感染
(母子感染)、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されています。こうした
リスクを考慮し、流行地域に滞在中は、症状の有無にかかわらず、性行為の際
にコンドームを使用するか、性行為を控えるようご注意ください。また、流行
地域から帰国した男女は、症状の有無にかかわらず、最低8週間、パートナー
が妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際にコンドームを使用するか、性行為を
控えるようにしてください。なお,性行為による感染は、男性から女性パート
ナーのみならず,女性から男性パートナーへの感染例も報告されています。
(2)症状
ジカウイルスに感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2~12日
であり、主に2~7日で、およそ2割の人に発症すると言われています。発症
すると軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、斑丘疹、疲労感、倦怠感などを呈
しますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症と言われています。
(3)治療方法
現在、ジカウイルス感染症には有効なワクチンや特異的な治療法はなく、対
症療法が行われます。ジカウイルス感染症が流行している地域で蚊に刺された
後に発熱が続く、または発疹が出るなど、ジカウイルス感染症を疑う症状が現
れた場合には、医療機関への受診をお勧めします。
(4)予防
ジカウイルス感染症には有効なワクチンもなく、蚊に刺されないようにする
ことが最善の予防方法です。これらの感染症の発生地域に旅行を予定されてい
る方は、次の点に十分注意の上、感染予防に努めてください。また、症状の有
無にかかわらず、帰国後少なくとも2週間程度は忌避剤を使用し、蚊に刺され
ないための対策を行ってください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、
肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おき
に塗布する。昆虫忌避剤は、ディート(DEET)やイカリジン等の有効成分のう
ちの1つを含むものを、商品毎の用法・用量や使用上の注意を守って適切に使
用する。一般的に、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く
持続すると言われている。
●室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効
果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
●軽度の発熱や頭痛、関節痛や結膜炎、発疹等が現れた場合には、ジカウイル
ス感染症を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
●蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外
放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。
5.流行地域からの帰国時・帰国後の対応(日本国内の検疫について)
すべての蚊がジカウイルスを保有しているわけではないので、蚊に刺された
ことだけで過度に心配する必要はありませんが、心配な方や発熱等の症状のあ
る方は、帰国された際に、空港の検疫所でご相談ください。
また、帰国後に心配なことがある場合は、最寄りの保健所等にご相談くださ
い。なお,発熱などの症状がある場合には、医療機関を受診してください。
(参考情報)
○厚生労働省HP(ジカウイルス感染症について)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html
○世界保健機関(WHO):Microcephaly/Zika virus(英文)
http://www.who.int/emergencies/zika-virus/en/
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